サラリーマン農家のblog

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食料・農業・農村白書第1章

こんばんは。

まーくんです。

今回は、農業白書第1章について書きたいと思います。

第1章は食料の安定供給の確保という題目で

第1節は食糧自給率

第2節は輸出

第3節は世界の食料の状況

第4節は食料の消費の動向

第5節は食の安全

第6節は食品産業

第7節は新たな需要

について書かれています。

第1節では

・食糧自給率はカロリーベースで38%、生産額ベースで68%。

・食料自給力(現在の農地・荒廃地に穀物・イモ類などを作付したときの国民1人当たりのカロリー)は米・小麦・大豆中心だと約1800kcal、イモ類中心だと2660kcalで、推定必要エネルギー量の2147kcalを上回る(ただ、農地減少傾向の為、年々下がっている)

ということが書かれていました。

つまり、やろうと思えば国内で自給はできなくはないということだと思います。

なので、現状は自給率よりも経済的な理由で農家が栽培を行っている。経済的に安いから輸入している訳で、自給率が低いというのはさほど深刻な状況ではないと思います。

というか、農水省はそれがちゃんとわかってて自給率アップって言ってるんですね、、、。食料自給率はほぼ間違いなく、予算獲得のための口実ですね。

第2節では

・2017年度の輸出額は約8000億(前年7.6%増で、過去最高)

・2019年に1兆円が目標(そのための支援の予算をとってくる)

・輸出の際のルールとして、GAP、HACCP、残留農薬基準、放射能検査などの条件をクリアしていく必要がある

・世界中で日本食レストランが増加している

ということが書かれていました。

輸出も予算獲得の口実が一番だと思いますが、日本ならではの日本酒、牛肉、お茶なんかは伸びる可能性があるかもしれないです。野菜とかは鮮度も落ちるし、ただでさえ高いのに物流コストが乗っかるから難しいんじゃないでしょうか。

白書には米を10万t輸出とありましたが、これは無理でしょうね。米を食べる国の人は大抵、自分の国のコメが一番うまいと思ってます。すし用のジャポニカ米は多少輸出できるかもしれませんが、大した量にならないし(ほとんどの国はインディ米を食べます)。

第3節では

・2017/18の世界の食料消費量は生産量を上回る(昨年までの在庫が0.7%減り24.7%になる)

・輸入額は約6兆5千億(アメリカ22.7%、中国11.3%、豪州7.1%、タイ6.9%、カナダ6.1%など)

・貿易のルールとして、日本では現在20の国・地域と16のEPA/FTAを締結。TPP11は署名済み。

というようなことが書かれていました。

アメリカへの依存がいまだに大きいのは個人的に驚きでした。この辺りにも敗戦国の名残が未だに残っているんだなと感じます。結局、重要な資源である石油なんかも輸入に頼っていますし、日本の企業といっても工場は海外にあるのが当たり前な状況なので、国内だけで考えるのではなく、どの国とどのバランスで付き合うのかっていうのは大事でしょうね。食料という意味では豪州は重要な相手になる気がします。土地広く、日本にも比較的近いと思うので。もちろん、中国もですが。

第4節では

・食料消費支出額は10年前に比べ減少している。

・調理食品の利用が10年前に比べ増加

・食料の購入先(2014年)はスーパー約37千円/月、小売店約7千円/月、生協約3千円/月の順。インターネットでの購買は440円/月と少ないが、10年前に比べ、約4倍になっている。他は減少傾向。

とあります。

食料消費支出額が減少している辺りに、可処分所得が減っているのではないかと推察できたりします。また、世帯の人数が減っているから、青果の購入よりも調理済みのものを買うようになっていると思われます。

インターネットは使わない人もいるので少額ですが、アマゾンも生鮮食品に力をいれるようですし、高齢化で特に地方では買い物に行くのが大変になっていく人が増えると思うので、今後ますます増えていくのだと思われます。

 

第5節では

・食品のリスク管理

・加工食品の原産地表示制度の変更(原料割合上位1位のものは原産地の表示が必要になった)

など書かれています。

長くなったので、詳細は割愛で(笑)

 

第6節では

・10兆5千億円の食用農林水産物が流通、加工などされ、最終的に76兆3千億円となって消費される。

・青果用の販売額は減っているが、外食用、加工用は増えている。

・コンビニではパン、冷凍食品、ファーストフードの販売が増えている。

・食品業界の再編(合併)が進んでいる

・ECでの食品販売額は約1兆5千億円

・外食は25兆4千億、中食は7兆円と増えている。

・600万t強の食品廃棄ロスが発生(WFPの食料援助量の2倍)

などと、書かれています。

現在、小売店や食品卸、食品加工業者が原料確保の為、農業参入するケースが増えています。今後農家も減るので、原料を確保することが販売額を上げていく一つの要因になる可能性はあると思います。

 

第7節では

・加工・直売などの農業生産関連事業の年間総販売額は約2兆円に(前年5%増)

・健康機能性に優れたものや漢方の生産が注目されている

と書かれています。

6次産業化という言葉がよく聞かれますが、栽培したものを単に加工するだけでは在庫が溜まってうまくいかないというパターンが結構あるようです。そのため、しっかりとブランディングマーケティングして売れる商品にしていくのが重要と思われます。その辺り、農家の力だけでは難しいので行政が手伝ったりするのですが、まあ、行政のセンスがない(笑)誰と組むかも非常に難しい問題なのだと思います。

漢方なんかは高く売れるそうなのですが、栽培期間が長かったり栽培方法がよくわからない、そもそもどこに売ったらいいのかわからないので今のところ私は作ろうと思わないのですが、良い情報会ったら教えてほしいです。

 

長くなりましたが、以上です。

今度第2章、第3章も書きたいと思いますが、いつになるやら、、、。

よろしければ、また見てやってください。