サラリーマン農家のblog

農業法人に勤める人のブログです

食料・農業・農村白書第2章

こんばんは。

まー君です。

台風の影響で大雨になりそうですね。

 

雨で暇なんで、第2章について書きたいと思います(笑)。

http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h29/pdf/zenbun_02.pdf

 

第2章は強い農業の創造というタイトルで

第1節は農業の構造改革の推進

第2節は農業生産基盤の整備と保全管理

第3節は主要農産物の生産などの動向

第4節は生産現場の競争力強化などの推進

第5章は気候変動への対応などの環境政策の推進

第6章は農業を支える農業関連団体

について書かれています。

 

第1節では、農業経営の実態について書かれています。

農業所得は増加傾向。農家・農地は減少傾向だが、若手の割合は増加。農業への融資額は増加ということで、従来の農家と言えるであろう、自分の農地を守る農家は高齢化で引退する方が増え、親を継いだ意欲的な跡取りや若手の新規就農者、農業に参入した法人による規模拡大、設備投資が進んでいるものと思われます。

http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h21/pdf/z_1_3_2_1.pdf

ただ、このデータを見る限り(少し古いですが)実際の収入という面では苦戦しているところが多いのではないかと考えられます。

規模拡大するには資本力がある。拡大するだけのちゃんとした販路と根拠がないと、大々的に初めても結局失敗、撤退ということにはなりかねないです。実際、企業の農業参入と撤退は繰り返されています。

ただ、原料の確保というのはどこも重要な要素になっているというのは間違いなく、卸や加工業者が自ら農業を始めるケースが増えています。農業人口もこれから急速に減っていきそうなので、今後は農業を行い、原料を確保することの価値が高まり、農業をする人の収入が増える可能性はあります(輸入に負けてしまう可能性もありますが)。

 

第2節では農地の基盤整備について書かれています。

特にかんがい設備について書かれています。

農業を始めると分かるのですが、田畑に水が来ているか来ていないかは結構重要な要素で、野菜だと梅雨明けて夏場になると降水量が少なくなるため、作物の生育に非常に影響が出ます。作れるものも制限されます。

水田だと田植えからお盆くらいまでは田んぼに水を張っておくことで管理作業が容易になります。

また、水はけをよくするための暗渠なんかもあると良かったりします。

おそらく、高度経済成長期に農地の整備を進めた結果、今老朽化が進んでいると思われます。ただ、農家の経済力も落ちているため、改修のお金を集めるのは結構大変ではないかと思われます。道路・橋・トンネルなんかもそういったことになっていくんだと思われます。農業に関しては本当は重点区域など決め、生産性の高い地域に予算を注力した方が間違いなく効率的なのですが、政治的な要因で少しずつ平等に整備されるのだと思います。

第3節では主要農畜産物の動向について書かれています。

私がメインでやっている野菜に関して書くと、野菜の作付面積は約40万ha、生産量は約1150万tと微減傾向です。

青果用410万t、業務・加工用547.3万tで、業務・加工用の割合が増えています。今後も業務・加工用の野菜の割合が増えていくものと思われます。

業務・加工用の野菜の特徴としては

・サイズが大きい(基本的には大きいものの方が歩留まりや生産性が高まる)

・出荷の規格は緩い(コンテナに入れて泥付きのまま出荷など、袋詰めする手間などが少ない)

・単価は安いが業者との契約なので、価格は固定なことが多く、売り上げは安定する。

傾向があり、結果として面積を広くし、機械化を進めて作業効率を高めていく農業が求められます。

規模拡大、設備投資を進める若手農家や法人などは販路を業務・加工用中心にし、生産性を高め、収量を増やすことを目指しているものと思われます。

なお、青果用だと

・見た目がきれい(野菜の形や梱包の仕方などに手間をかける必要がある)

・サイズがそろっている(大体M,Lサイズくらいが単価が高い)

・単価は相場に左右されるが、業務・加工用よりは高め。小売店などと契約できれば、加工・業務用よりは売り上げを高くできる。

傾向があります。小規模の農家だとこちらを狙うことで面積当たりの単価を上げるのが基本的な戦略になると思います。多品目の野菜セットなんかだと規格がなく(自分の裁量で売れる)、価格も決めることができますが、販路も自分、発送の手間も自分でやることになるので、その辺り大変になります。

 

第4節はIoT化、資材の費用の動向、労働安全対策について書かれています。

AI、IoT、機械化なんかは現在よく叫ばれることであり、労働力不足の農業においては必要なことなのですが、なんだかんだで機械を導入するよりも自然に任せた方が安上がりだったり、機械だと汎用性が少なく、人がやった方が安上がりだったりして一気に進むのは難しいように思います。データの集積が進み、栽培マニュアルが確立できれば、新規就農者でも2,3年で平均的な収量を確保できるのではないかと思うので、その辺りには期待しています。

また、農業の機会は作業性に優れる分、安全性は多少低く、事故が絶えません。事故を起こさないように機械は正しく使うこと、安全な服装で作業を行うことなどが必要です。

 

第5節では環境のことに関して書かれています。

環境に優しい農業として有機農業についても書かれていました。

面積では約1万haで、全体の0.5%程度とのことです。

環境には良いのだと思いますが、有機農業で稼ぐというのはなかなか難しく、単価も高いので需要も少なくなっているのが現状だと思われます。

 

第6節では農協などの組織について書かれています。

農協の組合員数は約1000万人(正会員約430万人、準会員約600万人)、職員は20万人とのことなので、政治的な力は未だに強いのだと思います。

なんだかんだで地方で勝てる自民党の源泉はこの辺りであり、だから農業関係の補助金も増えはせずとも減らないのだと思います。

 

第3章は、またの機会に書きたいと思います。

長々とした文を読んでいただき、ありがとうございます。