サラリーマン農家のblog

農業法人に勤める人のブログです

農業もマーケティングが必要

あけましておめでとうございます。

 

半年くらい放置してしまいました、、、。

年末年始連休取れたので、久しぶりに書きたいと思います。

お題の通り、マーケティングについて書いてみたいと思います。

マーケティングとは、「商品が売れるための仕組みを作ること」です。

自分たちの商品をどこにどうやっていくらで売るのかを考え、売上・利益を増やしていくという考え方です。

なぜこれが必要かと思うと、普通に農産物を販売すると、経費を回収できないくらい単価が安いことがあり得るからです。個人的には市場流通というシステムは大変優れていると思うのですが、市場価格で再生産コスト、時給換算したときに最低賃金+社会保障分の収入を得るのが非常に難しい。それくらい世の中には農産物があふれている状況だからです。12月初め農産物が総じて安かったことからも、普通にやったらそうなるということをつくづく感じました。

マーケティングで上手くやれていると感じるのは山梨の桃やブドウの直売所です。お客さんにわざわざ生産地まで来てもらい、スーパーで買うものよりも高く販売することで収益の最大化を狙っています。直売所に来てもらうため、設備を充実させたり、大型バスが停めやすいように駐車場を広く構えたりと各直売所工夫がされていました。また、地域で取り組むことで地域のブランド価値も向上し、より多くの人が来るようになっているのだと感じます。

じゃあこれを人参やダイコンで同じようにやってもうまくいくのかといえば、そうではないでしょう。桃やブドウという味覚で勝負できる果実であるから、このように戦えるのだと思います。

 

マーケティングを行う上でまず自分の置かれている環境を分析します。

自分たちが農業をしている地域はどのような地域なのか、人口はどれくらいいるのか、作りたいものの需要と供給のバランスはどうなっているのか、競合は多いのか、新規参入しやすいのか、買い手が強いかなど分析し、現在自分のおかれている環境を知ります。

次に自分が売りたい顧客を明確にします。マーケティングの専門用語ではセグメンテーション(顧客層の分解)、ターゲティング(売りたい顧客層の明確化)、ポジショニング(市場における自分の位置づけの明確化)を行います。自分のやり方で勝ちやすい市場を探します。自分のやり方で勝てないのであればやり方を再度考えます。

その後、製品(product)、価格(price)、販売チャネル(place)、コミュニケーション(promotion)という4Pについて考えています。これらを考えることで自分が勝ちやすい場所で勝てる商品を売れるようにしようというのがマーケティングのざっくりとした考え方です。

ただ作ったものを売るだけでなく、作ったものをどうやって売るとより高く売れるのか?何を作るとより収益がよくなるのか?を考えるいいきっかけになるのではないでしょうか。

 

 

 一応、私が読んだ本紹介します。

 

私も農場の売り上げ向上のため、より良い売り方を考えたいと思います。

 

参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果たして大規模農業が優れているのか?

こんにちは。

まー君です。

先日、大規模農業VS小規模農業はどちらが優れているのか?

という記事を読みました。

https://treeandnorf.com/which-is-good-large-agri-or-small-one/

この方は小規模農家を悪く言うとかではなく、今の日本には本当の大規模農業を行っているところはほとんどない。

大規模農業を行うことで農業界の地位向上を図りたいというのが書かれている意図なのだと思います。

私も農業法人に勤めるサラリーマンとして、大規模農業が発展することで過疎化の進む地方を大規模農業が担っていく必要があると考えますので、考え方として共感できる部分は大いにあります。

 

しかしながら、現状大規模農業が増えていかないのにも理由があると思い、今回、久しぶりにブログ書いてみました。

正直それほど見ている方もいないブログですが、自分の頭の中を整理し、不特定多数の人にも伝える為に書くということは私自身の勉強になっており、見てくださる方に多少の貢献にもなればと思い、書かせていただきます。

 

日本に大規模農業が発展していかない理由としては

  1. 農家が多い(需要が多い)
  2. 食糧に困っていない(供給が少ない)
  3. 農業がそれほど儲からない

この3点があげられると考えます。

1についてですが、現在農家は216万戸ほどあるそうです。その内販売農家(30a以上、販売金額50万円以上)が113万戸。専業でやっているのは37万戸。

https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/index.html

です。小さい農家、農業を副業としてやっている農家が多いというのが日本(アジア?)の農業の特徴と思われます。戦後の農地解放という政策。化学肥料、農薬、機械化など農業の技術開発が進む前は労働集約的(人海戦術で作業を進める)な業界であり、家族経営で管理できる面積しかやれなかったため、それほど大きくなかったことが理由なのかと考えます。

2についてですが、農業の機械化などによる生産性の向上。人口の減少。輸入農産物の増加などにより、日本の食糧が不足している状況ではありません。

3ですが、1と2の関係(需要が多く、供給が少ない)から、農産物は買い手(消費者、小売店など)が強い状態です。価格決定権を相手に握られており、そのため、農産物は安くなっています。

農産物の価格は相場というなんとなくの風潮で価格が決められています。

分かりやすい資料が見つからなかったのですが、米価は玄米1俵当りでいうと1993年の23,6071円をピークに今は15,000円前後となっています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E4%BE%A1%E3%81%AE%E5%A4%89%E9%81%B7

https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokuryo/181128/attach/pdf/re_data_3-2.pdf

一方経費は農水省の統計によると60kg当り15,000円程度となるようです。

file:///C:/Users/Owner/Downloads/e007-28-b.pdf

そう、つまり、水稲は収支トントン程度にしかならないです。

ただ、お米は補助金が出るためそれで利益が出るというのがお米の構造と言えます。

また、ここにある労働費と労働時間を割ると時給が1,435円となります。

他の職業の時給が以下のリンクにありますが、低い時給に分類されることになるのが分かります。

http://rank.in.coocan.jp/jikyuu/005.html

そのため、お米農家としては

・お米自体の労働時間は主に田植えと稲刈りの時期だけなので、野菜の栽培など行うことで収入を増やす

・規模拡大することで補助金をもらう額を増やし、それで機械化を進め、さらに大規模化を進める

・基本的に家族労働で作業を行い、雇用する経費を極力減らす

というやり方を行っている方が多いように思います。

農業の大きな特徴として農産物の収穫時期は人でが必要ですが、他の時期はさほど必要でないものが多い為、通年で仕事がない。通年で収入がないという状況になるケースが多いです。そのため、通年雇用する大規模農業法人というものがなかなかできないのではないかと考えます。

野菜についても同様で時給に換算すると1000円~2000円程度になっています。

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500201&tstat=000001013460&cycle=7&year=20070&month=0&tclass1=000001013649&tclass2=000001020117&tclass3=000001034993

大規模農業法人となり正社員を雇用すれば給与はもちろんですが、社会保険などの費用、賞与などの報酬も必要となります。人を雇用するコストを農産物の生産だけで吸収し、なおかつ法人として利益をだすのは非常に難しいのではないか。規模を大きくすれば大きくするだけコストが増え、かえって難しくなるのではないか。と私は感じています。

逆に工場と同じようにコストを割り返して農産物の単価にするとすれば相場よりも高くなってしまい、売り先が見つからないということになってしまうのだと思います。

以上のように考えると、単に農産物を作って稼ぐだけであるならば大規模でやる必要性というのは少ないのではないかというのが私の考えです。

むしろ差別化して高付加価値な農産物を目指し、ECなどでファンを増やして稼いでいくというやりかたは小規模な方が向いていると思います。

では、大規模農業をやるためにどうしたらいいのかということも考えたいと思います。

私が考えるに、地域のインフラとなり地域の農業にとって必要な存在になることで農業生産+αの収入元を作っていく必要があるのではないかと思います。

加工、物流、小売などを行う6次産業化なんかはその典型なのかと思います。自分たちでも生産し、地域の方にも生産してもらう。できた農産物を加工したり、青果で流通させていく。機械化を進め、地域の方の作業を請け負う。資材を大量に安く仕入れ、それを農家の方にも普通に買うよりは安く販売する。農業のノウハウを教え、生産者を増やすということかなあと考えています。まあ、考えてみれば大概農協がやっていることをやっていくということなのかと思います。

大規模農業を実現させるには非常に高いハードルなのですが、実際実現させている方もいらっしゃいます。この壮大なロマンともいえることに興味を持ち、やってみたいと思える方が今後も増え、過疎化の進む地域を担っていくことで日本の農業もまだまだ頑張っていけるのではないかと思います。

大規模農業、小規模農業というのは飲食店に例えると分かりやすいと思います。端的に言うと大規模農業は店舗数の多いチェーン店。小規模農業というのは特徴のある個人店ということになるのかと思います。そう考えるとどちらも世の中に必要な存在なのだと思います。

勉強するうえで大事なこと

おはようございます。

まー君です。

 

前に農業の勉強方法について書かせていただきました。 

 

farmsalaryman.hatenablog.com

 

今回、そもそも勉強するうえで大事なことについて書きたいと思います。

 

私が思う勉強するうえで大事だと思うことは「勇気」を持つことではないかと思います。

・自分が未熟だと自覚する勇気

→自分が分かっていると思い込んでいたらそもそも勉強しない。自分は勉強する必要があるという謙虚さを持つことが大事

・人に質問するという勇気

→人に自分が分かっていないということを伝えるのは非常に勇気がいる。人に聞いても教えてもらえないかもしれないという不安もある。そういったものをひっくるめて勇気をもって質問するのが実は一番難しいのではないか。

・勉強に時間を使うという勇気

→日々の作業が忙しく、そんな中勉強することに時間を使う。もしくは休みの日や作業の後気を緩めたいと思うときも自分を律し、勉強するという選択をするのは意外と難しい。

など、人間って弱いものなので勉強すると言ってもなかなかできないもの。それを乗り越えていく勇気を持てるのかどうかが勉強するのも自分の人生を歩むのも大事なことなんだろうなと感じています。

 

また、社会人で限られた時間で勉強するので自分は何を勉強するのかということを明確にすることも大事です。人に質問するときも何を質問するのか明確にすることで相手が答えやすくなりますし、自分の知りたいことがピンポイントで分かったりします。

人から学ぶ場合、質問力というもの非常に重要です。良い質問をすることで相手からより良いアウトプットをもらうことができます。また、良い質問をするためには自分がその質問をするだけの勉強をしている必要があります。そうした下積みがあった上での質問だと質問される側も答えがいがある質問となり、より深いコミュニケーションに繋がります。ググったら分かるような質問されても答える方の時間の無駄なので、そういったことは自分で調べた上で質問した方が良いと思います。

 

それから、本などを使って本気で勉強するときは時間帯や環境も意識すると勉強がはかどります。時間帯は自分の強い時間帯を把握することが大事です。私の場合、昼食食べて昼寝した後が一番捗るので、そのタイミングを狙います。また、家だと落ち着いて勉強できないので図書館など集中できるところに行ったりもします。

 

学生の頃は「勉強すること」「勉強時間」が目的だったりしましたが、社会人として大事なのは「勉強して成果を出すこと」です。限られた時間で成果を出すためにどういった勉強をするのか。これを意識することで勉強の成果が上がります。

最近になって勉強の仕方も勉強だなと感じます。何かしら参考になれば幸いです。

農業の勉強をするには

こんにちは。

まー君です。

 

私は農業を始めて10年前後なのですが、最近改めて農業の勉強をし直しています。

すると、

・勉強していたつもりだったが、忘れていて改めて勉強になる

・後輩に教える際に教えやすくなる

ということを実感しています。

農業以外の新しいことを勉強するのも視野が広がっていいなと思っていましたが、やはり私は農業で収入を得ているので、農業の勉強を行い、より成果を出さねばならないなと感じます。

そこで今回は農業の勉強の仕方について私なりに書いていきたいと思います。

学校から学ぶ

行政から学ぶ

企業から学ぶ

ネットから学ぶ

本から学ぶ

人から学ぶ

自分から学ぶ

 

学校から学ぶ

学ぶといえば学校。農業を勉強しようとすると

・農業高校

・大学の農学部

農業大学校

が主要なところかと思います。

私は大学の農学部に在籍していました。

農学部だと「農業」というより「農学」になっていて農業の勉強というよりは学問なので、マニアックな話が多くなり、実務上役に立つのかというとちょっと違うような気もします。

ただ、農業の用語は一通り学んだと思いますし、今勉強し直すとそういえばこんなこと勉強したなと思いだすこともあります。

農業を志す高校生が進学先として選ぶ分には良いと思いますが、農業を志す社会人、農業を始めている人が学ぶところではないかと思います。

農業高校は農業の勉強をするには良いと思います。農業高校の本は大変勉強になります。ただ、これも社会人が行くところではないかと思います。

農業大学校農水省が作った学校です。農業大学校では場所によっては社会人向けの講習も行っています。農業を志す方が初めに学ぶ場所としては一番いいように思います。農業法人の求人情報なんかも多いと思われます。進学するのも聞いた話入試も難しくないようなので、大学の農学部入るよりハードルも低いです。農学部だと農業をやりたいという人はそれほど多くないのが実情ですが、農業大学校だと農業を志す人が集まるので農業をやりたい人には良い場所だと思います。

 

行政から学ぶ

行政も農業の勉強会のようなことを行っています。各都道府県、各市町村に問い合わせしてみると良いと思います。ホームページに載っていることが多いです。行政主催だとお金の負担がないもしくは少ないケースが多いので、コスパ良いことが多いです。自分にとって必要だと思う内容があるのであれば参加してみると良いと思います。そこに参加する方からも有益な情報を得ることができたりします。

 

企業から学ぶ

企業で農業を教えてくれるところもあります。

https://agri-innovation.jp/

http://www.pasona-nouentai.co.jp/

また、農業法人に就職し、働きながら学ぶということもできます。

働きながら学ぶのであればお金ももらえるので一石二鳥ですね。ただ、就職なので当たり前ですが自分の学びたいことを学べるとは限らないですし、仕事をしたうえで学ぶということになるので体力的に大変なところはあります。

私は農業法人に就職し、周りの方に恵まれたおかげで色々と学ぶことができたので運が良かったと思います。就職先が自分のやりたいことと一致もしくは近いことなのかを考えながら探すことをお勧めします。農業は法的にそれほど労務が守られていないので、結構ピンキリなので。

 

ネットから学ぶ

栽培の方法、基本的な情報はネットでも一通り得ることができます。一番手っ取り早く勉強する方法です。一般的な情報が欲しいのであればネットで調べるだけでもそれなりに勉強できます。

スマホで畑でわからないことが会った時に直ぐに調べることができるとかは本当に便利だなと感じます。

ただ、ネットの情報が自分の地域のやり方とフィットするのか。ネットの情報が果たして正しい情報なのかなど、情報の精度に関しては注意が必要です。ネットの情報は参考程度に考えておいた方が良いと思います。

 

本から学ぶ

農業に関する様々な本があるので、本から学ぶことも重要です。基本的なことは本で学ぶのが一番良いと思います。

大抵図書館に行くとその土地でよく栽培されているものに関してはすごい厚い本があるので、それが参考になります。土壌・農薬・病害虫など多くの基礎的な情報が本で勉強できるかと思います。

また、人に教える時も本を使うと教えやすいです。

 

人から学ぶ

人から教えてもらうのも非常に重要です。教えてくれる人としては

・農業改良普及員の方

・農協など取引先の方

・周りの農家さん

などです。

農業改良普及員の方は地域の特産品に関しては非常に多くの知見を持っています。無料で相談できますし、都合が合えば圃場まで見に来てくれるので、活用して損はないと思います。取引先の方はその方の専門の分野であれば当然よく知っています。品種のことなら種苗会社や種の販売店の方。野菜のことなら出荷先の方に聞くと地域にあったより具体的な情報を得ることができると思います。また、周りの農家さんは情報の宝庫です。仲良くなって色々と教えてもらえるようになって損はありません(まあ、話が長い人が多いのでちょっと面倒なところもありますが、、、)。人にもよりますが、こちらが真摯に学びたい姿勢を示すと教えてくれる方が多いです。篤農家と呼ばれる上手に作物を作る方を師匠にすることができると心強いです。人から情報を得ることができるようになると様々な情報が入る様になります。面倒なこともありますが、地域の方とのコミュニケーションは大事かと思います。

 

自分から学ぶ

農業を何年もやっていると自分の過去の情報から学ぶこともできます。

そのために大事なのが記録をとっておくということです。

過去の作業の日報を振り返る。過去に自分で書いたノートを振り返ることでその時はわからなかったけど今なら見えることというものがあったりします。私の場合、字が汚いのでノートを振り返ることはしないのでメモは直ぐに捨ててしまいますが、作業の記録なんかは取っているのでそれを振り返ることで経費の算出、予算の作成に役立てていますし、積み重ねることでどうすると良くなるかが見えてくるようになってきたと思います。

 

以上です。

 

本で学ぶような一般的な情報と人から学ぶ生きた情報を如何に自分で組み合わせていくかが大事なのかと最近感じます。勉強することでまた成長していきたいと思います。

何かしらの参考になれば幸いです。

農業法人と個人農家の違い

こんばんは。

まーくんです。

 

久々の更新となってしまい、申し訳ありません。

 

今回は農業法人と個人農家の違いについて書きたいと思います。

農業法人にも農家さんが法人化した場合と、企業が参入して始めた場合の2パターンあるのですが、企業が参入したパターンについて書きたいと思います)。

 

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/h30_zyouhousenryaku_1.pdf&ved=2ahUKEwjCjbCvzOfnAhWNUN4KHYfSBxgQFjAMegQIAxAB&usg=AOvVaw2W_oO3WsR9VK4xTWxSVo_H&cshid=1582458344989

 

まず初めにどちらが利益率が高いかですが、基本的には個人農家の方が利益率が高いです。

これはなぜかと言うと、個人農家の方は利益≒自分の手取りであり、法人は役員、従業員の人件費を引いたものが利益になるからです。

法人だと労務をある程度管理する必要があります(農業は法的に他の業界に比べると緩いですが)。その分、コストが増えます。

例えばですが、個人農家であれば草取りはお金になりませんが、法人で雇われていれば草取りしてても時給なり、月給なりが入ります。個人農家であれば野菜を出荷して売上になったものが収入になります。売上が上がれば手取りが増え、下がれば手取りが減ります。

法人であれば売上が増えようが減ろうが時給、月給は変わりません。

ここが一番大きな違いだと思います。

野菜によっては最低賃金以下の売上だと言うことが往々にしてあります。その場合も個人農家の場合は一応利益が残ります(手取りは減りますが、手取りを取る前の数字なので)、法人だと赤字になります。

また、外部からの参入だと初期投資がかかるので賃借料、リース料、減価償却費が個人農家よりもかかりますし、その他経費もかかっています(すみません、このpdfだと具体的にどういった項目なのか分からないですが、おそらく業務委託費、事務所家賃、水道光熱費などかと)。個人農家の方が代々やっていてインフラがある程度整っている分、経費をかけずにやれるということだと思います。

規模、売上に関しては法人の方が大きくなっています。法人の方が経費がかかるので、規模を拡大して売上を増やしていく必要があります。個人でやっている方も規模拡大の為に法人化するというケースが多いかと思います。法人化した方が資金調達しやすいなどあるようです。

https://www.agri-navi.com/useful/38/3478

 

では、どちらが良いんだと言うと、これはその人それぞれの価値観の問題としか言えません。

ただ、私個人の見解としては実家が農家という方であれば個人でやった方が、実家が農家でないなら法人に就職した方が良いのでは?

と感じます。

と思うのは実家が農家の方は経費をかけずにやれるので、リスクを背負って規模を拡大しなくても、ちゃんと技術を高め、個人をブランドにして戦うことがしやすいです。実家が農家出ない場合はインフラを整える必要があるので法人に就職することでリスクなく始めることが出来、法人であれば最悪転職もしやすいので法人に就職が良いんじゃないかと思います。その場合、農家が法人化したのではなく、農業参入した会社を狙うことで上のポジションに立ち、やりたいことが出来るようになるのを目指すのが良いんじゃないかと言うのが私の持論です。

ただし、これはあくまでも私の持論であり、実家が農家という方でも規模拡大したい方は法人化してやって行けば良いと思いますし、実家が農家でない方でも個人でやるのが向いているという方であれば個人農家としてやっていくのも良いと思います。実際に新規就農でもハードルは高いですが、それでもちゃんと自立してやっている方もいます。

ただ、ハードルは高いので覚悟の上で始めるべきということはお伝えしたいと思います。

 

私個人としては、天災などで作物が出来なくてもちゃんと収入が入る。社会保険、扶養の控除などある(と言っても私まだ独身なので関係ないですが(^_^;))サラリーマンは強いなと感じます。自分が新規就農してサラリーマンくらいの収入を稼げる自信が全くないですし、50,60歳になっても農業続けられる自信もないんですよね、、、。

ただ、この程度の心構えでやっていると個人で食うために必死にやる方に間違いなく負けてしまう。法人でやっている以上個人で一生懸命やっている方に勝てないんじゃないか、とも思います。

最近は法人の看板で食わせてもらっていることを自覚し、やりたいことが給与もらってできるということに感謝し、個人の農家さんに敬意を払い、色々と学ばせていただきながら個人の農家さんレベルの技術を身に着け、農業の世界であればどこへ行っても通用するような人間になりたいなと思います。

そのためにも日々、成長していかねばと思います。

 

稚拙な文ですが、最後までお読みいただありがとうございます。

自分の価値観を知ろう

明けましておめでとうございます。

今年も書けるだけ書いていきたいと思います。

年が新たまるとなんとなく気分も新たまりますよね。
今年の目標を作る人も多いんじゃないかと思います。

今回は目標を作るうえでそもそも自分の価値観は何にあるのかを理解する。
それが大事だと言うことを説明したいと思います。
あなたは何に価値をおいてますか?
仕事、家族、富、趣味、名誉、友達、、、。
様々な価値観があります。
自分は何に価値を感じるか。
自分は何を優先するのか。
それを明確になることでやるべきことが見えてきます。
仕事に価値を見出す人と趣味に価値を見出す人は間違いなく目標が違えばやりたいことも違ってきます。これって当たり前なように思いますが日々なんとなく暮らしているとぼんやりしてしまい、自分が何をしたら幸せなのか、自分はどうしたいのかというのが分からなくなってしまいます。
なので、一年に一度か何ヶ月に一度かちょっと考える時間を作って考えることで自分の進んでいる方向が自分の目標としている方向かどうか把握するというのは実は非常に重要なことで、意外と多くの人はやっていないことです。
価値観が見えてきたら実際にどうしたいのか考えます。
家族が大事なのであれば家族を喜ばしたい、だから美味しい食事に連れて行く、その為にはいくら稼ぐんだ、とか。家族を喜ばせる為に美味しい料理を作る、その為に料理教室行くんだ、とかそうしたことを考えていきます。紙などに書くことでよりイメージできるようになると思います。
そして、色々も考えた後に大事なのはたくさんやりたいことを書いた場合はそのうちどれを優先するか順位をつけること、優先順位の低いものは目標にするのを止めることです。
人間時間だけは平等です。限られた時間の中、自分は何をしたいんだということを明確にして、決めたことは行動していく。目標を達成させるうえで大事なことです。
また、決めた目標を振り返ることも大事なことです。実際、目標にしたけどやってみたら違ったということは多々あります。別に間違ってたって良いんです。大事なのは何で間違っていたかを考え、次に活かして行くことです。

日々の生活でも朝今日やることを書き出しておくとやることがブレなくなっていきます。夕方見てみると朝やろうと思っていたことと違うことをやっていると言うことが実際私も多々あります。それを見返すのことで方向性を間違えずに業務を進めて行くことが出来ます。

ちなみに、自分の場合は自分の能力を発揮して世の中に評価されたいということが価値観になっているように思います。承認欲求の塊です笑。
結構自己中心的で、だけど人に構ってもらいたい、評価してほしい。そんなわがままなのが自分の価値観だと率直に思います。
サラリーマンであれば評価は出世に繋がると思います(これもあくまでも私の価値観です)。出世をしていくうえでより大きな仕事をしなければならない。より大きな仕事をするためにはより多くの人に協力してもらう必要がある。自分一人の力では限界がある。まだ動けるけど、そろそろ体も動かなくなってくるよなと考えると、自分が動くのではなく、みんなに動いてもらえるように努力する必要がある。だから今年はみんなに動いてもらえるように動くことを目標にしよう。となると、苦手だけど愛想を良くしたり配慮出来るようにならなきゃいけないな。というのがやるべきこととなってきます。果たしてやれるかどうか(^_^;)笑

以上です。
今年も楽しい一年になるために、参考になれば幸いです。

農業を管理会計で考える

こんばんは。

まー君です。

 

今年一年本業が忙しくなり、ブログの更新がだいぶ減ってしまいました。

本業が忙しいこと自体はありがたいので良いのですが、やはり日々作業だけやっているとアウトプットの機会が減ってしまうのは良くないと思うので、来年もやれる範囲でブログを更新し続けていきたいと思います。

 

今回は管理会計の本を読んだので、それを農業に当てはめて考えてみたいと思います。

 

管理会計の基本 この1冊ですべてわかる

管理会計の基本 この1冊ですべてわかる

 

 これ読みました(特にアフィリエイトとかではないです(^_^;))。

 

まず初めに、経費を変動費と固定費に振り分けます。

簡単に言えば

変動費とは売上に応じて変動する経費

固定費とは売上と関係なく発生する経費

です。

この振り分けが簡単なようで意外と難しいのですが、農水省のデータは

http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h18_h/trend/1/other/f2-26.xls

変動費:種苗等、肥料、農薬、諸材料、雇用労賃のこと

固定費:農機具、建物、賃借料等、土地改良等、家族労働費(法人であれば社員の人件費とする)、小作料、租税公課、負債利子、企画管理、雑費のこと

としているので、今回はその前提で書き進めます。

また、この本には変動費は商品に付加価値をつけないもの。固定費は商品に付加価値をつけるものと書かれていました。農業であれば原材料といえる種・肥料・資材を人・土地・機械を活用して作付・管理・収穫すること付加価値つき、農作物という商品になり、その価値が高まった分だけ収益になるということです。

そして、

売上ー変動費=限界利益です。

例えばお米1kgの売上が250円。変動費が50円とすると、限界利益は200円となります。

そして、固定費が6000万だとすると、お米を300t売れば収支トントンの損益分岐点に達するという計算になります。

損益分岐点=固定費=限界利益となる金額です。

計算式としては

損益分岐点=固定費÷限界利益

です(限界利益率=限界利益÷売上高)

例えば上記の農水省の表の7~10haの場合

損益分岐点=670.9÷0.827≒811万円となります。

お米が1kg250円とすると、おおよそ32.5t販売できれば収支トントンです。

お米の反収は500kg位とすると、6.5haくらいの面積が必要となります。

面積が8haとすると、1.5ha分の売上が利益となります。

現状、損益分岐点をどのくらい売り上げが上回っているかという指標が損益分岐点比率で、損益分岐点比率(売上に対する損益分岐点の割合)=811÷1051=77.1%

となります。

 

こうした考え方が身につくと、自分の手取りをどうするか、機械を購入すべきかどうか、農地を広げるかどうか、人を雇用するかどうかの判断を客観的にできるようになってきます。

 

例えば、上記の農家さんが10haに規模拡大し、その際1人雇用したとします。

すると固定費が670.9万→1000万になったとします。

損益分岐点=1000÷0.827≒1209万

売上=100(反)×500kg×250円=1250万(反収500kg,単価250円は想定)

損益分岐点比率1209÷1250≒96.7%

となり、かなり収益を圧迫します。

そのため、今の人員でもやれるなら雇わないという判断もできます。

しかしながら、固定費は価値を高めるものなので、人を雇用したことで他の作物を作る。稲の育苗を自分でやることで他の経費を下げる、刈り取りの委託をして売上を増やすなど、他の仕事を行うことで売上(付加価値)を高めることにつなげるというのも判断になります。

なお、1000-670.9=329.1(雇う人の人件費)

329.1÷77.1%(損益分岐点比率)≒427万(必要な限界利益

427÷82.7%(限界利益率)≒516万(必要な売上)

516万円の売り上げを増やせれば利益率を減らさずに雇用することができます。

 

また、売上の増加分、固定比率を変えずに人件費を増やすのであれば

1250万円×63.8%(以前の固定比率)≒798万円

798-671(以前の固定費)=127万円

となり、127万円人件費として使うことができます。127万だと常時雇用は出来ないので季節雇用を行う。もしくは委託で作業してもらうなど考えることができます。

 

以上のように、判断を客観的にするために会計管理の勉強をしておくと仕事ができる風の男になれます笑。まだ私もそのレベルにはなっていないのですが、農業以外でも役に立つので勉強していきたいと思います。