サラリーマン農家のblog

農業法人に勤める人のブログです

農業の基本的な考え方

お久しぶりです。

 

最近作業忙しく、更新出来ていませんでした。

ブログ書くのはやっぱり手間ではあるんですが、書くことで頭の中が整理され、仕事で人に伝える時に役に立つので、引き続きやっていきたいと思います。

 

今回は農業経営について客観的に書きたいと思います。

農業は特殊な仕事だと思う方も多いと思います。

実際、特殊性はあるのですが、客観的に考えれば製造業の考え方に当てはめるとスッキリすることが多いです。

製造業って言うと少し冷たいイメージをお持ちの方もいるかも知れませんが、結局は努力して出来るだけ安くお客さんに届けるのが農業であり、製造業の根幹だと思っています。

で、安く売るために大事なのが

  • 出荷量を増やす(売上を増やす)
  • 生産性を上げる(経費を抑える)

の2つになります。

これに関しては農業だろうが、製造業だろうが他の業種でも同じですね。

 

で、出荷量を増やすですが、

出荷量=面積辺りの出荷量×面積

と考えると

  • 面積辺りの出荷量を増やす
  • 面積を増やす

のどちらかをすれば出荷量を増やせます。

まず、どちらに重点を置くかと言えば面積辺りの出荷量ですね。というのも、そんなに取れないものをたくさん作っても労力、経費ばかりかかってしまうからです。

農業だと反(約1000㎡)辺りの出荷量、反収という言葉をよく使います。

反辺りの売上=反収×単価

となります。

例えば野菜を反3t収穫して1kg100円であれば

3000kg×100円=30万円

4t収穫して80円なら

4000kg×80円=32万円

と反収が上がれば単価が安くなっても反辺りの売上が増えます。安くなれば売り先を増やせますし、そうなれば面積を拡大して売上を増やしていくことも出来ます。

ごくごく当たり前の話かと思いますが、こういった考え方が農業では特に大事ではないかと思います。

ただ、その一方で単価を上げる努力も当然必要です。

個人的にはちゃんと反収を増やして販路が固まってくれば単価もあげていけると思っています。なので、営業より先に生産に力を入れるが良いんじゃないかと思っています。

ここに関しては人によって考えが違い、先に販路を見つけた方が販路を守らねばならないから頑張るので結果うまく行くという考え方もあります。私がサラリーマン農家だからもしかしたらのんびりした考え方かもしれません。

また、売上を増やすのと同じくらい生産性を上げることも大事になってきます。

生産性を上げるためには

  • 適切な圃場レイアウト、計画
  • 適切な投資
  • 適切な雇用

が大切になります。

適切という言葉を何度も使いましたが、適切というのは都度変わるということです。

作るもの、面積、レイアウトが変われば変わっていきます。トヨタにも改善に終わりなしという言葉がありますが、まさにその通りなのだと思います。

生産性を上げるために一番大事なのはそもそもの計画になります。農業は決めた計画の変更が難しいです。物を植えてから出来るまでにどうしても時間がかかるので、大抵、失敗を取り替えそうと計画にない挽回をしようとすると出血を増やします。何もしないが正の時もあります。

なので、計画が非常に大事になります。

ただ、計画も初めは一から全てで大変ですが、一度作ればそれをベースに修正していけば良くなるので、初めに頑張って作ることが出来ればやれると思います。

次にお金の使い道です大きいところで言えば機械か人になります。

人を雇うと自分もその人と接しなければいけないのでストレスが増えますし、雇用すると毎月人件費が発生します。シルバー人材など、期間限定で人を活用する方法もあるのでストレスなく作業がはかどる形を模索していく必要があります。

規模拡大するのであれば、人を雇用する必要は間違いなくあります。ストレスにはなりますが、自分が50、60歳になっても今と同じ仕事が出来るとは思えないので、長いことやっていくには雇用は必要と思います。家族経営であれば、後継者が引き継げるようにする必要あると思います。

機械は圃場の規模、作るものに応じて適した機械を入れることが大事になります。中古でちょうど良いものがあれば良いですが、変にケチって圃場にあわないもの、故障しがちなものを買ってしまうと結果効率がさほど上がらず経営を圧迫する恐れもあるので注意必要です。トラクターや車両など数の多いもの、汎用性の高いものは中古でも良いと思いますが、新品で買った方が良いものも多いです。

また、メンテナンスの負担も増えます。頻度の多くないものであれば買うのではなく外注するというのも一つの手段です。人とは違い、一度に支払って済むので結果人を雇うより安い時もありますが、高くなる時もあります。なので、ちゃんと試算した上での購入をお勧めします。

 

長々となってしまいましたが、農業経営の概要はこんな感じだと思います。

書いてみれば当たり前な話が多いと思います。

ただ、これを畑で実践する難しさを日々感じます。日々畑にいるとこうしたことが頭から離れてしまうので、今一度頭を整理整頓するのに私には良い記事となりました。

これが皆様にも少しでも役に立てれば幸いです。