サラリーマン農家のblog

農業法人に勤める人のブログです

農業で稼ぐための考え方

おはようございます。

まーくんです。

 

農業で稼ぎたい。

農業やってる人ならみんなが考えていることだと思います。

 

ただ、実際現場だと

「この野菜は高く売れた」

「この野菜ならお金を使わないからやり易い」

くらいの話しか聞けません(家でちゃんと計算している方もいると思いますが)

 

会社でやっていると報告のためにもある程度分析は必要なので、この辺りは農家の人よりできているんじゃないかと思います。

 

なので、今回は売上を増やす方法について書きたいと思います。

 

まず始めに

 

売上=出荷量×出荷単価

 

と言う方程式があります。

つまり、売上を上げるには

  • 出荷量を増やす
  • 出荷単価を上げる

のどちらかを行う必要があるということです。

 

出荷量を増やすには

出荷量=反収×作付面積

 

という方程式があります(ここでいう反収は反辺りの収穫量という意味です。反収には反辺りの売上という意味もありますが。反とはおおよそ10aの面積のことです)。

 

つまり、

  • 反収を増やす
  • 作付面積を増やす

ことで、出荷量を増やせます。

 

反収を増やすためには

  • 栽培方法の改善
  • 秀品率の向上

が必要になります。

栽培方法の改善ですが、

  • 作付時期は適切だったか
  • 作付前の準備はしっかりできたか
  • 栽培中の管理は適切だったか
  • 収穫時期は適切だったか

など各要因を省みます。

農業普及員の方に相談したり、周りに自分よりも上手く栽培している農家さんがいたら畑を見させてもらって栽培の相談をしたり、その作物を盛んに作っている産地があれば何かしらのつてを使って見に行ったり(インターネットで調べるだけでも参考になることがあります)することで自分の栽培方法が適切だったかを考えます。

 

面積を増やすためには

  • 他の作物との兼ね合いも含めて増やした方が良いのか
  • そもそも面積を増やすだけの価値がその作物にあるか(儲かる作物か)
  • 面積を増やしても適切な作業ができるか
  • 輪作、連作など先のことを考えた上でムリムダムラはないか

を考える必要があります。

 

それが儲かる作物で、需要も大きく増やせば増やすだけ稼げる。取引先との契約で生産量を増やさねばならない時なんかは圃場を拡大して売上を増やしていくのが効果的ではないかと思います。

面積を増やすときに機械の導入や人の雇用を行うことでより効率的(反辺りの経費のかからない)な運営が出来れば理想です。

逆に経費ばかり出ていくような作物や作業の負担が多い割にそれほど稼げない作物なんかは面積を減らす(いっそのこと辞める)、反収向上を目指す、経費を減らす栽培方法に改善するなどの対応が必要です。

資本がある企業の参入で失敗するパターンはとりあえず出荷量を増やすために面積を増やすんだけど、その分作業負担が増え、経費もかかって赤字が増え、それを挽回するために更に圃場を増やすというパターンです。

圃場を増やす前に今ある圃場のクオリティを上げるのがセオリーではないかと思います(今ある圃場のポテンシャルが低く、後で借りれる圃場の方がポテンシャル高い場合はその限りではないですが)。

 

出荷単価を上げるには

  • 秀品率の向上
  • 高単価で売れる販路の模索

 

が必要になります。

 

秀品率は栽培方法、収穫方法の改善がメインになります。

農業の経営改善というとかなり聞こえのいい感じですが、結局は良い野菜を作ることが一番の経営改善になります。

良い野菜を作ることで

  • 出荷量増加
  • 秀品率向上
  • 選別作業の人件費軽減
  • 取引先との信頼向上

等々、メリットだらけです。

栽培に注力せず営業に注力してしまうと

  • 出荷量を守るため、作付面積を増やす
  • 作業のキャパオーバーとなり、結果反収が下がる
  • 反収が下がるため、より作付面積を増やす
  • 更に反収が下がる
  • 品質も悪くなり、取引先との信用も失う

という悪循環に陥ります。

で、大半の農業法人はこのパターンでずるずる行きます。

 

なので、まずは当たり前に作れるだけは作ることに注力すべきだと思います。

 

これだけは作れるという土台ができたら営業で単価アップを目指しますが、理想は栽培に注力しているときに取引先から声がかかり、契約できるだと思います。篤農家と言われるレベルの人だとこのパターンで単価を上げることに成功できているようです。

そうならない場合は自分で探っていく必要があります。

つてがあるならそこから当たった方が可能性は高く、つてがないなら下手な鉄砲も数打ちゃ当たる理論で探す形になります。

探していると色々と定法も入るようになると思うので、そこから学ぶこと、活かせることもあるので手当たり次第やるのも必要な時期はあると思います。

良い取引先が見つかれば、あとは信用を築いて行きます。信用大事です。

農業で一番信用を持ってもらえるのは結局良い野菜を計画通り出すことなので、やっぱり良い野菜を作るにこしたことはありません。

 

長々と書きましたが、最終的に良い野菜を作ることが売上アップに繋がるという極当たり前な話しになってしまいました。

でもやっぱりそうなんですよね。

なので、またこれから作業頑張りたいと思います。