サラリーマン農家のblog

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新規就農者の有機農業について

こんばんは。

まー君です。

今回は有機農業について書きたいと思います。

 

そもそも有機農業とは、有機農業とは、(1)化学肥料や農薬を使用しない、(2)遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、環境への負荷をできる限り低減する農業生産の方法を用いる農業です(有機農業の推進に関する法律第2条による定義)

 

自然に優しい、体に良いというイメージから、特に新規就農の方が始めるパターンが多いように思います。

しかしながら、新規就農者と有機農業というのは実はかなり相性が悪いと私は思っています。

なぜなら

  1. 有機農業は慣行のやり方よりも栽培のハードルが高いのに、技術が未熟
  2. 良い畑はほぼ間違いなく借りれないのに、土の力を必要とする
  3. 特に売り先もないのに、高く売らねばならない商品である

からです。

新規就農で有機農業を始めた人はどれが野菜でどれが雑草か分からない状態になり、虫も発生するため、野菜の出来は良くないです。

ただ、ごく一部有機農業でちゃんと稼げている人もいます。

そのレベルで売上1千万、年収500万くらいみたいです。

もっと稼いでいる人もいると思いますが、年収500万でスタープレーヤーです。

農業をやっている私からすればかなりすごいレベルなんですが、それを20年後も30年後もやらねばならないのかと思うと、自分もスタープレーヤーの仲間入りを目指そうとはなかなか思えないんですよね、、、。

人間だって病気になったら薬を飲むように、野菜だって必要な農薬や化学肥料は使うべきではないかと思います。ただ、むやみやたらに使うのは畑のバランスを崩し、今後の作付に影響を与える可能性は少なからずあるので、できる限り使わないが良いんじゃないかと思います。

 

ただ、有機農業のメリットもあります。

  1. 農薬を使わないので、作業者の健康には良い
  2. 野菜の生理を知るための勉強にはなる。

まあ、こんくらいですかね。

それでも有機農業をやるという方は、金銭とか理屈とかでなく、「生き方」なんだと思います。有機農業を何十年もやっている大ベテランの方に会ったことがありますが、まあ、収入がそれほど多いわけではなく、食べていけるくらいだけど楽しそうに仕事の話をされていました。収入だけがすべてではない、素晴らしい「生き方」だと私は思います。

なので、新規就農でどうしても有機農業をやりたいという方には、辞めといた方が良いよとアドバイスしますが、それでもやるんだという方にはそれ以上言わず、応援いたします。

まあ、きょうびわざわざ儲からない農業をやっている私もそれが「生き方」なのかもしれないです。もっと人に誇れる「生き方」を目指して、今後も頑張りたいと思います。