サラリーマン農家のblog

農業法人に勤める人のブログです

農家が価格決定権を持つには

こんばんは。

 

まーくんです。

 

野菜を高く売るために、野菜の価格決定権をもつことが重要です。

で、価格決定権をもつためには

  • 作る人が少ないものを作る
  • 一年中安定して同じものを出荷する

の二つが戦略になるかと思います。

作る人がいないものを作るですが、

  • 流行ると皆が作り出す。
  • 売り先が少ないので、販路を拡大するのは大変。
  • 作っている人が少ないので、栽培方法が分からない。

という難点はあります。

高く売れるけど、量は売れない。試しに100kg分くらい作ったけど、10kgくらいしか売れず、結果赤字みたいな可能性もあります。

安定した販路があり、そこで損はしない程度に取り扱ってもらえそうであれば、チャレンジしても良いのですが、販路もなくやると爆死の可能性もあります。

直売所も場所によりますが、基本は定番の野菜の方が売れるみたいです。

なので、面白半分で済むくらいの規模でやるくらいが良いと思います。

 

一年中安定して同じものを出荷する。ですが、買う側からすると取引先を1ヶ所に出来るので非常にありがたい取引先になります。

野菜だと季節によって仕入れ先を変えるため、それが業務を煩雑化させ、仕入れ側のストレスとなります。

なので、一年中安定して出荷すると大変信用されます。そうなると、多少強気の価格でも相手は取引してくれる可能性が高まります。

また、価格が固定されれば売上も安定するので経営もしやすくなります。

ただ、一年中安定して出荷するという当たり前そうなことが農業において一番と言って良いほど難易度の互い技術になります。

一年中安定して出荷するために

  • 施設への投資
  • 技術の向上
  • 野菜の調達

が必要になると思います。

施設への投資ですが、ビニールハウスや灌水、暖房などの栽培のための施設だったり冷蔵庫や真空予冷など貯蔵の為の施設が必要になります。病害虫防除の資材なんかも必要になります。

そうなると当然それだけの先行投資になるので、リスクがあります。1億円プレイヤー農家は大抵こうした設備をちゃんと整えているのですが、大抵は代々農家の家で財務がしっかりしていて栽培技術も高いところです。

新規就農だとお金のハードルが高く、農業法人だと技術のハードルが高かったり、必要以上の投資をして失敗しているパターンが多いのが現状です。

技術の向上ですが、同じ野菜でも夏に作るのと冬に作るのでは作り方がかなり異なります。使う品種、資材も変わってくるので、そういったマニアックな知識も求められます。適期の栽培方法であればインターネットでも分かる時代ですが、そうではない時期に作るとなると、自ら失敗しながらやっていく必要があり、上手く行くのに時間がかかります。

野菜の調達ですが、営業力のある人であれば自分で作るのではなく、自分で野菜を仕入れて量を揃えるという技を使うことも取引先との契約次第では可能です。適期ではないときは適期の地域から野菜を仕入れて販売することで栽培のハードルを下げることが出来ます。で、適期の時は自分で作って販売することで粗利を増やします。

ただ、その場合は売り先だけでなく買い手との交渉や物流の構築、出荷の取り決めなど人とのストレスが増えます。農作業もしつつとなると煩雑になってくるので、やっぱり能力が必要になります。

 

当たり前と言えば当たり前ですが、稼げる農家になるためには普通の農家ではダメです。個人でやれればそれだけ自分の手元に残りますが、なかなかそれは難しい。

私が法人で農業をやる理由の一つとして、自分にはそれほどの能力はないので、会社で役割分担して得意なことに集中したいと言うのがあります。

まあ、得意なこととか偉そうなこと言っといてまだまだ栽培技術もできる農家さんには及ばないので、もっと頑張らねばと思います。

 

今回は以上です。

よろしければ、また読んでやってください。